トヨタグループ【産業保健師の求人募集・採用の傾向】
トヨタグループは、自動車関連(トヨタ自動車)を中心とする企業集団ということになります。いわゆるグループ企業ということですね。有名なダイハツ工業や日野自動車などもトヨタ傘下にある連結子会社であり、トヨタグループの一員ということになります。ここでは、トヨタグループを例として企業で勤務する産業保健師についていろいろ見ていきましょう。トヨタグループを広い目で見ると、トヨタ系の住宅関連企業。金融関連企業などもありますが、自動車の製造・販売を手がける企業ということで考えます。
企業における産業保健師の役割は社員の健康管理を行うことにありますが、仕事は幅広いものであり、健康診断、予防などの啓発、健康相談、メンタルヘルスケア、医療措置の補助などいろいろです。近年企業ではメンタルヘルスケアが重要視されていますが、トヨタグループなどの自動車メーカーは多くの工場(愛知県の本社工場、元町工場、上郷工場、高岡工場など)を抱えていて、安全衛生上の課題の一つとして作業手順が重要視されています。産業保健師は「作業手順」という問題に取り組む必要が出てくるのですよ。
先に書いたように、産業保健師は社員の健康面で様々なサポートを行なっていきます。では、なぜ作業手順ということに関わる必要があるのでしょうか?工場で非効率な作業手順で仕事を行うと、所定時間に業務を終えることができなくなり、残業が増えることが予想されます。残業が増えることは、社員の精神面・体力面において負担を強いる結果に繋がります。これは社員の健康面での問題にも発展していきます。このように考えると、作業手順の問題に保健師が関わってくることも理解できるのではないでしょうか。
考えていただきたいのは、産業保健師は一企業人として、社員の健康面から会社を支えていく立場にあるということです。少々表現は良くないと思いますが、「見た目での健康問題」だけに取り組んでいればいいというわけにはいかないのですよ。人的資源である社員の健康が会社の生産性の拡大を促し、ひいては会社の発展に繋がる、このような考えを持つ保健師を大手企業では求めています。トヨタグループもその一つと考えていいでしょう。求人の応募条件を見ても「産業保健活動経験者」とか「産業保健活動に多大な関心のある保健師」という記載をよく見かけますが、これは産業保健師になるための資質を如実に物語っているような気がしてなりません。
ただ、全ての企業が経験のある産業保健師を募集しているわけではありません。中には産業保健活動が未経験な保健師を率先して採用する企業もありますので、「私には無理かな・・・」と悩む必要はありませんよ。産業保健師の求人数が豊富であるとは言い難い部分もありますが、トヨタグループのような大手企業の産業保健師は高収入というケースも多いです。産業保健師を目指している保健師の方々は、常日頃から企業における産業保健活動に多大の関心を持って、様々な勉強をしていくことをおすすめします。