TBSのケース【産業保健師の求人募集・採用の傾向】
年々産業保健師の需要が大きくなり、産業保健師を目指す方々も増えてきました。企業で働く保健師を一般的に産業保健師と呼んでいますが、企業における産業保健師の役割とはどういうものなのでしょうか？放送業界でも大手である（株）TBSテレビを参考にしながら、仕事内容や求人動向などを見ていきましょう。
（株）TBSは、（株）TBSホールディングスが100％資本金を出資している放送事業者になります。北の北海道放送（札幌市）、東北放送（仙台市）から南の大分放送（大分市）、琉球放送（那覇市）に至るまで、系列28社を有しています。系列会社を合わせるとかなりの社員がTBSで働いていることになりますよ。
さて、近年社員の間でストレス・うつが増加していて、メンタルヘルス（心の健康）に問題のある社員が激増しているという報告があります。グローバル化は様々な物事に影響を与えてきましたが、社員への影響も様々なのですよ。例えば、社員と言えども「個」になりますよね？以前の日本は集団社会であり、会社においては「個」よりも「集団（会社）」にウエイトをおいていたものです。しかし、個人情報が何よりも優先されるような社会になり、個が集まった会社では、様々な人間関係により多大なストレスを抱え込んでしまう社員が増えているのですね。ストレスなどで心を病んでしまった社員への対応は保健師の重要な役割です。これは多くの企業が語っていることでもあります。
では、テレビ局ではどうなのでしょうか？もちろん、人間関係でストレスを抱えてしまう社員はテレビ局にもいます。しかし、テレビ局は普通の企業とは違ったストレスを抱えこんでしまいます。それは、報道における名誉毀損や報道被害の問題、偏向報道の問題、放送中の不適切な表現や取材のあり方の問題など、テレビ局であるが故に特殊な問題があり、このようなことからストレスを感じてしまう社員がとても多いという現状があります。
テレビ局の医務室勤務をお考えの方は、ストレスの原因となるものが普通の会社とちょっと違うことも認識してくださいね。もちろん、定期的な健康診断業務、様々な保健活動、相談業務、緊急的な怪我や病気などへの対応も業務の中に入っています。また、「病気にならないために何をすべきなのか」ということが保健師の本分ですから、勤務してからも様々な勉強をしていかねばならないのは当然です。
TBSを始めとする大手企業は、経験のある保健師を求める傾向がやや強いようです。健康問題が複雑化している現代ですから、「能力のある保健師」を求めるのは当然なのかもしれません。しかし、求人を詳細に見ていくと、「未経験者でも可」という求人もあります。収入面でも比較的良いと言われる産業保健師ですが、保健師募集に関する情報は率先して集めるよう努力してくださいね。
