男性産業保健師の求人数・採用状況の現状

男性産業保健師の求人数・採用状況の現状

男性産業保健師は全国でも非常に珍しい存在です。そもそも就業している保健師のほとんどが女性で、男性の保健師自体が少ないことが影響しています。2010年の厚生労働省の調べでは、就業している保健師の総数が45003人に対して、女性の保健師が44,422人で男性の保健師が581人との結果が出ています。つまり、保健師の総数のおよそ1.3%しか男性保健師がいないことになります。

 

男性の保健師に出会う確立はたったの100分の1程度ということになります。さらに、その中でどういった職種別の統計がでていましたが、581人のうち294人が市町村へ勤務しています。全体の50%強です。次に多いのが保健所で95人、病院が85人で続きます。ここまでの市町村、保健所、病院の合算が81.6%ですので、ほとんどの男性保健師はこの3つに集中していることが伺えます。

 

一方で産業保健師の割合ですが、統計資料の「事業所」で11人と「その他」28人のうちの何人かが産業保健師だと推測されます。つまり、仮に39名全員が産業保健師だったとしても、男性保健師の6.7%にしかなりません。保健師全体では、0.087%しかいない計算になります。

 

これだけみても男性の産業保健師の存在がいかに珍しいかがわかります。しかし、産業保健師を含めて男性の保健師需要が少ないかといわれると、決してそうではありません。

 

特に産業保健師に就いては男性の保健師が求められているといえます。理由としては、就業者の多くが男性だということです。健康に関する悩みは非常にデリケートで、できれば同性の保健師に相談したいということも当然あるはずです。あるいは、同性だから理解し合えることもあるでしょう。また、工場などでは就業者の大半が男性ですし、女性の保健師よりも男性の保健師の方が良いこともあるでしょう。そういった男性の産業保健師のニーズは全国でも少なくないはずですし、今の男性産業保健師の数では十分に応えられていないのも事実でしょう。

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